クロスカルチャー・ポエトリー:日本の俳句が英国の現代詩に与えた影響についての比較研究(Salloom, 2020)
みなさんこんにちは。
じんぺーです、今日も論文を読んでいきます。
クロスカルチャー・ポエトリー:日本の俳句が英国の現代詩に与えた影響についての比較研究(Salloom, 2020)
ポイント
■比較文学は、異文化交流を含む学際的なテーマであり、文学と翻訳のそれぞれを考慮に入れている
・日本派は権力に焦点を当て、アメリカ派は平行展開を研究
・この両者は、文学的に比較可能な2つの異なる概念
・俳句の重要性と関心は、エズラ・パウンドの存在と、彼の革新的で実験的な執筆態度によって高まった
・学校から大学の文学科の教授まで、若い作家が俳句を理解
・この文学スタイルは長さが限られていますが、偉大な伝統を持ち、やがて西洋の詩を支配
・日本を訪れたフランス人観光客が俳句を取るようになり、1905年にフランスで作品集を発表:その後、1910年にフランスとイギリスで日本文学のアンソロジーが発行されたが、いずれも俳句が含まれていた
■俳句の形式
・17音で構成されていることや、概念の並列化など、ある種の法則性が破られている
・多くの詩人は、必要なフレーズを得るために5-7-5スタイルを使用したり、大きく逸脱したりしようとはしないはず
■俳句のテーマ
・俳句は、悟りの象徴として読者を対象
・俳句は当初、有名になりましたが、その基本的な構造やコンパクトな言葉の使い方から、子供や青年たちが楽しんでいる
・今日では、俳句は西洋詩の最も一般的な文学タイプの一つとなっている(安田、2011)
■文献レビュー
・ケネス・ヤスダは、俳句の三行は、俳句の必須要素である時間、場所、対象の三要素(Yasuda, 1973)に対応していると主張
・日本の俳句は、伝統的に17世紀に禅宗の僧侶によって完成された直線的な段階で始まった
・句が完全な形になったのは、17世紀の仏教僧から
・俳句は、時間の流れや色や音の変化を一枚の絵に集約することで、一時的な感情を伝えるための儚い美しさを構築することが人気の秘訣
・俳句が西洋文学と日本文学の架け橋となった
・日本語と中国語は全く同じであるという認識を持っている人が多いが、実際には伝統も含めてあらゆる面で異なるもの
・俳句の特徴は、芸術的な複雑さにある
・米国俳句文化協会の定義では、「俳句とは、人間の状態と直感的に結びついた自然のプロセスや季節の意味を、想像力に富んだ語彙を用いて伝える短詩である」
Haiku is a short poem which utilises imaginative vocabulary to convey
the meaning of a process of nature or the seasons that are intuitively linked with the human state
・「日本の伝統的な俳句に近いリズムを設定する」という英語での標準的な俳句の形式を成文化
・俳句は禅と関係があるという認識は、ワッツによって強化された(Watts, 1960)
・模倣的な詩のスタイル、エキゾチックな趣味、神秘的な存在の仕方に比べて、現代詩文学としての俳句に対する理解が深まっている
コメント
俳句が欧米でどれくらい受け入れられているかのreference探しがスタート、早速いい論文(査読付きかはわからないけど)を見つけてハッピー。
論文
Salloom, A. (2020). Cross-Cultural poetry: The Influence of Japanese Haiku Poetry on English Modern Poetry / A Comparative Study, Journal of University of Shanghai for Science and Technology, 22(10),1944-1956.