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マインドフルネスの側面を探るためのセルフレポート評価法の使用 (Baer et al., Assessment, 2006)

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みなさんこんにちは。

教育と心理学について考えているじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。昨日の論文はこちら▽

 

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マインドフルネスの側面を探るためのセルフレポート評価法の使用 (Baer et al., Assessment, 2006)

結論から言うと、階層的確認的因子分析により、同定された因子のうち少なくとも4つはマインドフルネスの全体的な構成要素であり、マインドフルネスの因子構造は瞑想の経験によって変化する可能性があることが示唆された。

 

背景

■Dimidjian & Linehan (2003)は、マインドフルネスの性質とその構成要素、およびマインドフルネス・トレーニングが有益な効果を発揮するメカニズムを理解するためには、心理測定的に健全なマインドフルネスの尺度が必要であると指摘

・ここ数年の間に、マインドフルネスの評価のための自己申告式の質問票が文献に登場し始めている

 

研究1

利用可能なマインドフルネスの質問票が内部的に一貫性があり、互いに相関しているかどうか、瞑想経験との相関性があるかどうか、そしてマインドフルネスとの関連性や無関係性が期待される他の構成要素の尺度との相関性があるかどうかを検討

方法

参加者:心理学の学部生613名(20.5歳で、70%が女性、90%が白人)

尺度:

・Brief Symptom Inventory(BSI; Derogatis、1992)

・NEO-FFI (Costa & McCrae, 1992)

・Trait Meta-Mood Scale (TMMS; Salovey, Mayer, Goldman, Turvey, & Palfai, 1995)

・White Bear Suppression Inventory (WBSI; Wegner & Zanakos, 1994)

・Difficulties in Emotion Regulation Scale (DERS; Gratz & Roemer, 2004)

・Toronto Alexithymia Scale (TAS-20; Bagby, Taylor, & Parker, 1993)

・Scale of Dissociative Activities (SODAS; Mayer & Farmer, 2003)

・Acceptance and Action Questionnaire (AAQ; S. C. Hayes et al., in press)

・Cognitive Failures Questionnaire (CFQ; Broadbent, Cooper, Fitzgerald, & Parks, 1982).

・Self-Compassion Scale (SCS; Neff, 2003a)

結果

・瞑想経験と各質問紙:FMIとKIMSについては正の相関

・マインドフルネスと他の変数の間の相関関係が大きく異なることを示す

 

研究2

方法

参加者はパート1の613名の学生であった。5つのマインドフルネス質問紙の項目に対する回答を1つのデータセットにまとめ、探索的因子分析と相関分析を行った

結果

■5つのマインドフルネス質問票(MAAS、FMI、KIMS、CAMS、MQ)の複合データセットには112項目が含まれていた

・非反応性ファセットについては、表3に示す7項目すべてが選択された。他の4つのファセット(観察する、意識して行動する、判断しない、記述する)については、最も高い因子負荷を持つ8つの項目が選択され、このようにして各マインドフルネスファセットのサブスケールが作成された

 

研究3

CFAを使用して第2部で導出された5因子構造の再現性を独立したサンプルで調査する

参加者:268名の心理学の学部生

結果

・ある程度の瞑想経験を報告した我々の複合サンプルの参加者(n = 190)でこのモデルをテストしたところ、5つのファセットすべてがマインドフルネスの全体的な構成要素に有意に負荷をかけていることがわかった(負荷量:observe = .34、describe = .57、actaware = .72、nonjudge = .55、nonreact = .71)

 

研究4

マインドフルネスのファセットが第1部で述べた変数(経験への開放性、感情的知性など)と異なる関連性を持っているかどうかを検討する

参加者:サンプル1とサンプル2のデータを組み合わせた881人

結果:いずれの場合も、いくつかのファセットが構成要素と有意に相関しているが、予測されたファセットは他のいくつかのファセットよりも有意に強く相関している

・4つのファセットのうち3つのファセット(actaware、nonjudge、nonreact)は有意な心理症状の予測因子であり、それぞれが他のファセットでは説明されなかった分散の有意な部分を占めていることを示している

 

コメント

質問紙で60分ってしんどそう…

やはり「観察」因子に難ありそうなのはよくわかった。一方で、瞑想者のサンプルではうまく因子も相関も出るということは、練習によって最も影響が出るのが「観察」の部分なのかなあと思った!

 

論文

Baer, R. A., Smith, G. T., Hopkins, J., Krietemeyer, J., & Toney, L. (2006). Using Self-Report Assessment Methods to Explore Facets of Mindfulness. Assessment, 13(1), 27–45. https://doi.org/10.1177/1073191105283504