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セロトニン1A受容体遺伝子は気分障害に感受性を与える:大うつ病および双極性障害患者を対象とした拡張メタアナリシスからの結果(Kishi et al., European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience, 2013)

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みなさんこんにちは!

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

  

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セロトニン1A受容体遺伝子は気分障害に感受性を与える:大うつ病および双極性障害患者を対象とした拡張メタアナリシスからの結果(Kishi et al., European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience, 2013)

結論からいうと、15件の研究をメタ分析したところ、rs6295もrs878567も、複合的なMDsと関連していた

 

背景

■気分障害の病態生理には、セロトニン神経伝達の異常が重要な役割を果たしていることが様々な証拠から示唆

・セロトニン1A(5-HT1A)受容体は、セロトニン(5-HT)ニューロンの発火を制御し、その他の5-HT自己受容体および異種受容体は、多くの異なる脳領域でセロトニン効果を媒介

・HTR1AがMDの基礎となる病態生理の有力な候補であることを示している

・HTR1Aには,生物学的に機能するSNPが1つ存在する

・GG遺伝子型を持つ人は、CC遺伝子型を持つ人に比べて、シナプス前 raphe nucleusにおける5-HT1A自己受容体の発現レベルが高かった

・一方、GG遺伝子型の人は、CC遺伝子型の人に比べて、シナプス後の5-HT1A受容体の発現が低下

・5-HT1A受容体の活性化は,内側前頭前野,線条体,海馬におけるドーパミン放出を増加させることが示されて

■MDDとBPは、うつ病エピソードや不安などの臨床的特徴、病態生理、抗うつ薬や気分安定薬などの治療薬が重複しているという共通点

・MDDとBPは感受性遺伝子を共有している可能性

 

方法

■すでに発表されているデータに加えて,我々自身の未発表の研究も含め

■研究間の異質性を評価するために、コクランのChi-square-based Q-statistics testを適用

 

結果

■rs6295と気分障害

・我々の未発表研究を含む15の関連研究

・4,297名の患者と5,435名の健常対照者からなるすべての研究から得られたプールされたORは、MDとの有意な関連を示した

■rs6295とMDDの関係

・我々の未発表研究を含む13の関連研究

・3,199人の患者と4,380人の健常対照者からなるすべての研究から得られたプールされたORは、有意な関連を示した

■rs6295とBP

・4つの関連研究が我々の基準を満たしていた

・1,170人の患者と2,252人の健常対照者からなるすべての研究から得られたプールされたORは、ドミナントモデルで有意な関連を示した

▶rs6295とrs878567がそれぞれMDと有意に関連していた

 

コメント

5-HTR1Aの論文を読むたびに、これって発現を亢進してるのか抑制しているのか分からなくなる…

「GG遺伝子型の人の脳では、シナプス後の5-HT1A受容体の発現が低下することで、内側前頭前野、扁桃体、視床下部、線条体、中隔、海馬でのドーパミン放出が減少し、MDの発症・発現に寄与している可能性」と書かれていた。。GG型の人ってセロトニン増えるから、うつ病なりにくいんじゃなかったっけ…わからない…

論文

Kishi, T., Yoshimura, R., Fukuo, Y., Okochi, T., Matsunaga, S., Umene-Nakano, W., Nakamura, J., Serretti, A., Correll, C.U.,  Kane, J.M., & Iwata, N. (2013). The serotonin 1A receptor gene confer susceptibility to mood disorders: results from an extended meta-analysis of patients with major depression and bipolar disorder. European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience, 263, 105-118. 

https://doi.org/10.1007/s00406-012-0337-4