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気分のよさが曖昧になる時:日常生活における複合感情の感情ダイナミクスと予測因子としてのBig Five特性 (Barford et al., 2020, European Journal of Personality)

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教育と心理学について考えているじんぺーです。

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さっそく本日の論文の紹介に移ります。

 

気分のよさが曖昧になる時:日常生活における複合感情の感情ダイナミクスと予測因子としてのBig Five特性 (Barford et al., 2020, European Journal of Personality)

結論から言うと、経験サンプリングを用いて、参加者の感情状態を1日10回、2週間に渡って収集した研究で、日常生活における混合感情はNAの変化とネガティブな出来事の発生によってより強く予測され、NAがより可変的、PAがより安定していて、神経症傾向が強い人は混合感情の平均レベルが高かった。

 

細かく見てみます。

 

背景 ポジティブ感情(PA)とネガティブ感情(NA)が同時に生起する状態は混合感情(Mixed Emotion)として知られている。ウェルビーイングとの関係が明らかにされる等、心理学のトピックとしての注目は集まっているが、混合感情が日常生活の中でどのようにして自然に生じるのか、また、どのような性格的特徴が混合感情をより感じさせるのかについては、あまり知られていない。

 

目的① どのように混合感情が、個人内のPAとNAのゆらぎとポジティブ・ネガティブイベントの発生と関連しているかを検討

目的② どのように混合感情が個人間の基本的な性格次元のバリエーションと関連しているかを検討

 

方法

参加者 3つのサンプル

サンプル① 大学生101名(女性73.7%、M=21.40、SD=2.15)

サンプル② 大学生79名(女性62.5%、M=3.5歳、SD=7.82歳)

サンプル③ フラマン語圏の大学生95名(女性62.1%、M=19.06歳、SD = 1.28歳)

尺度 刹那的な感情測定、ポジ・ネガイベントの発生、Big Five

手続き 各日を10等分した間隔で、参加者は各間隔の間のランダムな瞬間にESM調査への回答を求められた。

混合感情の指標 MIN (Larsen et al., 2017) を採用→2つの感情状態のうち弱い方の強度に相当し、したがって2つの感情経験(PAとNA)が重なる強度を反映

 

結果① NAの一時的な増加は、すべてのESM調査から次のESM調査への間の混合感情の増加と強く関連

結果② 神経症は、すべてのサンプルで混合感情の一貫した中等度の正の予測因子であり、神経症の人は平均して、より多くの混合感情を経験する傾向がある。対照的に、開放性/知性はどのサンプルにおいても混合感情とは関連しておらず、外向性と外向性×神経症の相互作用はサンプル2においてのみ混合感情と関連。

結果③ 神経症と混合感情の関係を平均NAの増加が媒介

 

結論 経験サンプリングを用いて、参加者の感情状態を1日10回、2週間に渡って収集した研究で、日常生活における混合感情はNAの変化とネガティブな出来事の発生によってより強く予測され、NAがより可変的、PAがより安定していて、神経症傾向が強い人は混合感情の平均レベルが高かった。

 

コメント  日常において、PAの方が常によく抱いているというのも少し意外な感じがした。考察にもあったがNAと混合感情を分離することが難しそうだなあと。だから、混合感情とはいっているけども、常にポジティブな感情価は残っていてそこにネガティブな感情価が少したされた状態を混合と言っているに過ぎず、それは測定上はネガティブ感情に他ならないのかなあと思った。

 

論文

Barford, K. A.Koval, P.Kuppens, P., and Smillie, L. D. (2020When Good Feelings Turn Mixed: Affective Dynamics and Big Five Trait Predictors of Mixed Emotions in Daily LifeEuropean Journal of Personality34, 393– 411https://doi.org/10.1002/per.2264.