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マインドフルマルチタスク:マインドフルな柔軟性とメディアマルチタスクの関係 (Le et al., Computers in Human Behavior ,2012)

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みなさんこんにちは。教育と心理学について考えているじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます!

昨日の論文はこちら▽

 

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さっそくいきます!曖昧さ×マインドフルネス!

 

マインドフルマルチタスク:マインドフルな柔軟性とメディアマルチタスクの関係 (Le et al., Computers in Human Behavior ,2012)

結論から言うと、マインドフルネス誘導法(Langer, 1989)を用いてマインドフルな柔軟性を高めたが、グループ間でマルチタスクのパフォーマンスに差異的な影響を与えなかった。また、マインドフルネス特性と曖昧さのより大きな許容、アルゴリズム的な思考スタイルよりもヒューリスティックな思考スタイルを採用するためのより大きな傾向、思考スタイルのより大きな複雑さ、より大きな肯定的な感情、およびより少ない否定的な感情と関連した。

 

背景

■様々なメディア形態(雑誌、テレビ、コンピュータなど)を使用している間にマルチタスクを行う傾向のある個人は、無関係な刺激をフィルタリングすることが少なく、その結果、逆説的にライトメディアのマルチタスク者よりもタスクの切り替えパフォーマンスが悪い

■特性マインドフルネスとは、状況の複数の視点を暗黙的または明示的に認識したままにしておく性質の傾向である

■マルチタスクのパフォーマンスの成功は認知的柔軟性に依存している可能性があるので、マルチタスクのパフォーマンスは、例えば、個人の状態のマインドフルネスを高めることによって、マインドフルな柔軟性を高めることによって、潜在的に改善される可能性がある

 

目的

マインドフルな柔軟性の状態を誘発することが、マルチタスクの傾向とマインドフルな柔軟性に関連する因子(例えば、特徴的なマインドフルネス、曖昧さへの不寛容、思考スタイル、複雑さ、感情状態など)を超えて、メディア・マルチタスク(Foehr, 2006)のパフォーマンスに影響を与えるかどうかを検討する

■3つの仮説

H1:マインドフルネス、曖昧さへの不寛容、思考スタイル、複雑さ、ポジティブな感情、ネガティブな感情は、理論的にはマインドフルな柔軟性の構成要素と関連しているので、これらの要因は互いに相関しているはずである。

H2:メディアマルチタスクのパフォーマンスは、個人が高状態のマインドフルネスの誘導、低状態のマインドフルネスの誘導、または治療なしの誘導を受けたかどうかによって異なるだろう。

H3: 状態のマインドフルネスと特徴的なマインドフルネスの間の相互作用は、マインドフルな柔軟性にリンクされた他の要因を超えて、メディア・マルチタスク・パフォーマンスを予測する。

 

方法

参加者:18歳から50歳までの75人の参加者(女性45人)(M = 24.1、SD = 6.8)

手続き:低マインドフルネス演習、高マインドフルネス演習、または治療なしを与えられた3つのグループ

→エッセイを構成し、12分以内に12のアナグラムを解くことを含んでいたマルチタスクの練習を行った

尺度:PANAS、Langer Mindfulness Scale、The Intolerance of Ambiguity Scale (IAS; Budner, 1962) 、Heuristic Questionnaire、Media Use Questionnaire (Ophir et al., 2009)

群:

・カテゴリカルな境界線を固めることなどの分野を対象とした低マインドフルネスの演習

・斬新な区別をすることやマインドフルな柔軟性を高めることなどの領域を対象

マルチタスク演習:12分以内にエッセイをタイプし、12のアナグラムを解くことから成っていた

 

結果

・年齢とメディア使用はマルチタスクパフォーマンスの重要な部分を予測した (26%)

・被験者の特性は依然として分散の6%を説明、特に、マインドフルネスはマルチタスク・パフォーマンスと有意に関連

・低マインドフル群と高マインドフル群は、無治療対照条件と有意差はなかった

・一般的にグループのメンバーシップは、マルチタスク・パフォーマンスを有意に予測した(ΔR2 = 0.02)

・グループと形質マインドフルネスの間には有意な相互作用があった

→マインドフル・フレキシビリティの構成要素がどのようなものであるかが明らかになり、メディア・マルチタスク・パフォーマンスは、状態マインドフルネスが操作されていない人の場合にのみ、特徴的なマインドフルネスから予測できる

 

コメント

マインドフルネスとマルチタスクの関係を状態と特性両方のマインドフルネスに注目してみた研究。研究の中心的な興味ではなく、曖昧さ耐性とマインドフルネスに関係がr = .35くらいはあるため、自分の研究でも取り入れられそう。

論文

Le, A., Haller, C. S., Langer, E. J., & Courvoisier, D. S. (2012). Mindful multitasking: The relationship between mindful flexibility and
media multitasking. Computers in Human Behavior, 28, 1526-1532.
doi:10.1016/j.chb.2012.03.022