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中国人大学生における経験への開放性,外向性,および主観的な幸福感:特性畏敬の媒介的役割(Dong & Ni, Psychological Reports, 2020)

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みなさんこんにちは。

教育と心理学について考えているじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。昨日の論文を読んでいきます▽

 

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さっそくいきます!

 

中国人大学生における経験への開放性,外向性,および主観的な幸福感:特性畏敬の媒介的役割(Dong & Ni, Psychological Reports, 2020)

結論から言うと、経験への開放性と外向性はより高いレベルの特性畏敬を予測し、特性畏敬はより高いレベルの主観的ウェルビーイングを予測し、特性畏敬は、経験への開放性と外向性が主観的ウェルビーイングに及ぼす効果を媒介していた。

 

背景

■畏敬の感情は、主観的な幸福感に重要な影響を与えている(Rudd, Vohs, & Aaker, 2012)

・特性畏敬は、個人が状態の畏敬に関連する心理的な結果に慣れ、低い認知的完結欲求を持っていたように慢性的な畏怖の経験である(Valdesolo & Grahm, 2014)

■人格因子と畏怖の関係については一致していない(Pilgrim, Norris, & Hackathorn, 2017; Shiotaら, 2006; Silvia, Fayn, Nusbaum, & Beaty, 2015)

・経験への開放性が畏敬の念と結びついていることが支持されていた

・経験への開放性が高い個人が畏敬の念を経験するのは、反射的で複雑な音楽も好んだ場合に限られることを発見した(Pilgrim et al., 2017)

■いくつかの実証研究では、外向性と畏敬の関係を探っている

・Shiota et al. (2006)は、特性的畏怖と extraversion との間には低~中程度の正の相関関係があることを発見

・Silviaら(2015)は、extraversionが状態の畏怖を予測するという証拠を見つけていない

■特性畏敬と状態的畏怖は、個人の生活に異なる影響を与える(Shiota et al., 2007; Valdesolo & Grahm, 2014)

・状態畏怖は確実性とコントロールの感情を誘発し、不確実性への不寛容性を高める(Valdesolo & Grahm, 2014)のに対し、特性畏怖は、個人が状態畏怖に伴う心理的な結果に慣れてしまうため、不確実性への寛容性が高まる(Shiota et al. 2007)

■経験への開放性、外向性、主観的幸福感の間のメディエーターとして畏怖を考慮した研究はない

 

方法

参加者:学部生・大学院生332名(男性91名、女性241名)

尺度:

・DPESから得たdispositional awe サブスケール

・NEO-FFI

・Index of Well-Being Scale(過去1ヵ月間の生活についての人々の感情を測定する)

 

結果

・経験への開放性は、より高いレベルの特性畏怖を予測し、経験への開放性がコントロールされているときには、特性畏敬は主観的幸福感を予測。開放性から主観的幸福感へのパスは非有意。

・外向性は、より高いレベルの特性畏怖を予測し、外向性がコントロールされているときには、特性畏敬は主観的幸福感を予測。外向性から主観的幸福感へのパスも有意。

 

コメント

すごいコスパのいい研究。

変数もメジャーなものばかりだし、方法も分析もめちゃくちゃシンプル。

レビューがしっかりしているから、ちゃんとアクセプト貰ったんだろうなあと思う。開放性が畏敬を統制するとWell beingに効かなくなるのは少し驚き。

 

論文

Dong, R., & Ni, S. G. (2020). Openness to Experience, Extraversion, and Subjective Well-Being Among Chinese College Students: The Mediating Role of Dispositional Awe. Psychological Reports, 123(3), 903–928. https://doi.org/10.1177/0033294119826884