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5HTR2A-1438 A/G核酸多型がメタコントラスト・マスキング課題の成績に影響を与える:脆弱性テストと錐体細胞の神経調節への示唆(Maksimov et al., Neuroscience Letters, 2015)

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みなさんこんにちは。

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

今日も論文を読んでいきます。

 

 

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5HTR2A-1438 A/G核酸多型がメタコントラスト・マスキング課題の成績に影響を与える:脆弱性テストと錐体細胞の神経調節への示唆(Maksimov et al., Neuroscience Letters, 2015)

結論から言うと、5HTR2A(rs6311)の遺伝的変異が、メタコントラスト・マスキングの異なる行動効果と関連していた、具体的には、アリルのキャリアーは一般的にプロモーター活性が高いため、ターゲットとマスクの非同期性の変化は、特にこのグループの被験者において、マスキング効果に強い影響を与えた

 

背景

■5HTR2A(rs6311)受容体は、大脳皮質の第5層錐体細胞に高濃度に存在し、神経認知機能の調節に重要な役割を果たしていることが知られている

・高次の認知課題は複雑で、多くの要因が相互に影響し合う可能性があり、認知能力とセロトニン系エンドフェノタイプとの関連を示す研究結果を理論的に解釈することは容易ではない

・セロトニン系に関連する遺伝的変異が、単純な視覚課題を遂行する際の行動表現型に表れるかどうかを検討することが有用である

5-HTが非同期のグルタミン酸放出を選択的に増強する一方で、5HT2A受容体の濃度は、5層ニューロンの樹状突起の先端部分で特に顕著であることが知られている

・ここがまさに,シナプス前細胞の影響を調節するコンパートメントである

・この効果は刺激後約50ms後に起こる

■メタコントラスト・マスキングの研究では,(報告される予定の)標的刺激とそれに続くマスキング刺激との間の刺激開始非同期(SOA)

・0 msから100 ms程度の小さな時間間隔で正確に変化

・マスキングの異なる行動結果の間を移行するのに重要なSOA値は,およそ50msに相当

・ターゲットとマスクの形状が一致する試行では,ターゲットが四角形の場合,マスクも四角形になるが,四角形のターゲットに対して不一致のマスクは菱形になる

・このパラダイムを用いた以前の論文では、BDNF Val66Met、NRG1/rs6994992、5-HTTLPRの多型に代表される遺伝的変異と、メタコンラストの特定の行動効果との間に、実際に相互作用があることを示した

■セロトニン作動性機能の低下は、認知的柔軟性の低下と関連

・5-HT効果は認知的柔軟性に関連しているため、SNP効果はターゲットとマスクの形状が一致しない条件でより顕著に現れると予想

 

方法

■参加者:エストニア人の57名(年齢18~45歳、M = 26.7、女性67.4%、男性32.6%)

■遺伝子:Aアリルのホモ接合体が8人、A/Gヘテロ接合体が22人、Gアリルのホモ接合体が22人

 

結果

■ターゲットーマスク刺激識別反応の正解率を,SOA,遺伝子型,標的と仮面刺激の一致度の関数として測定

・HTR2A-1438A/G多型の主効果は見られなかった(F(1,55) = 2.25, p = 0.140)

・SOA×遺伝子型の有意な交互作用(F(2,110) = 5.27, p < 0.007)

▶Aアリル保持者の標的識別率は、Gホモ接合者のデータと比較して、SOAが短いほど相対的に低い

・SOA×遺伝子型(Aアリルキャリア対Gホモ接合体)×ターゲットとマスクの形状の一致の相互作用(F(2,110) = 9.24, p < 0.0002)

・男性は女性に比べて高いレベルの標的識別を行うことがわかった(F(1,53)=9.25, p < 0.004)

 

コメント

研究科の同期が使っていたパラダイムだったので、そのあたりは読みやすかった。2Aのことももう少し読まないと申請書には盛込めなさそう。

 

論文

Maksimov, M., Vaht, M., Harro, J., & Bachmann, T. (2015). Single 5HTR2A-1438 A/G nucleotide polymorphism affects performance in a metacontrast masking task: Implications for vulnerability testing and neuromodulation of pyramidal cells. Neuroscience Letters, 584, 129–134. https://doi.org/10.1016/j.neulet.2014.10.015