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現場にいないとなかなか想像しにくいこと5選【教育系書籍レビュー⑤】『問題だらけの小学校教育』東和誠著

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こんにちは😊

日々、教育と心理学について考えているじんぺーです。 今回は、久しぶりに書籍レビューをしますよ〜

 

 

今回読む本は、東和誠著「問題だらけの小学校教育 疲弊する教員、放置する学校長」です!

 

 

東和さんはTwitterでもお世話になっていて、ずっと前に読み終えてはいたのですが、アウトプットできずにいました。

 

 

満を持してまとめてみます~

 

 

現場にいないとなかなか想像しにくいこと5選

この本は元小学校教員の東和さんによって書かれています。

 

 

ぼくは今学生という立場で、実際の学校現場について本を読んだり、現職の先生のお話を聞いたりしているのですが、実際に現場に立つことはしていません。

 

 

そんなぼくが、はじめて知ったこと「本を読んだり、話を聞いているだけでは知らなかったこと」を5つまとめてみました。これも本であることには変わりはないのですが、元教員の方が書かれているということで、限りなくリアルに近いものだと考えています。(実際に立って、肌感覚でしかわからないことがあることも理解しています、大目に見て☆)

 

 

あと、最初に断っておくと、これからのレビューは自分が初めて知ったことを中心に書いていくため、東和さんの伝えたかった中心的なものとは少し外れているかもしれません。

 

1.S-P表ってなんだ!!

S-P表は、第1章の教室編の「学力テスト」のところに出てきます。

 

本書の説明によると、S-P表とは、

 

Student-Problem score tableの略で、設問の高得点順、正答者数の多い順に被験者と設問を並び替えた正誤パターン表のことで、テスト問題の特徴や被験者の反応パターンなどを把握するための手法

― p.38

 

だそうです。

 

 

簡単にいえば、子どものテスト結果をまとめたもので、比較や分析が簡単に行えるというものですね。

 

東和さんは、無意味とは思わないけど、今の教員の業務量を考えると必要な仕事とは言えないという風に見解を述べています。

 

アウトソーシングすべきとも書いていて、こういうところにも、教員を助ける手段があるのかもしれないな、とぼくは考えてしまいます。

 

2.エピペン注射

これも、第1章の教室編の中の「給食の問題点」に書かれています。

 

主題はアレルギーを持つ子どもへの対応のお話ですが、アレルギーというと、アナフィラキシーショックも視野に入れなくてはいけませんね。

 

教員は、

 

アナフィラキシーショックが起きた場合、エピペン注射をうつことも求められています。こちらは実際の経験はありませんが、毎年研修を受けていました。

ー p.57

 

どの学校、自治体でもやっているんでしょうか。

 

 

先生はいろいろな問題に対する準備をしていて、子どもを守ってくれているんだなあという気持ちになりました。

 

 

しかし、東和さんは、1時間の講習しか受けていない教員たちには、 なかなか自信をもってエピペンをうてないと言います。

 

 

なかなかマニアックな記事になってきましたが、いいのでしょうか笑

 

 

続けます。

 

 

3.PTA行事

こちらは、第2章の保護者編のところに出てきます。

 

もちろん、PTA行事について知らないわけではないですが、少し衝撃だったのは、次の部分です。

 

土日に実施する漢字検定・算数検定の試験官、縄跳び大会や卓球講座など、本来アルバイトや講師にギャラを払って行うべきものを教員に負担させるPTA

ー p.72

 

これはなかなかひどいですね。。

 

でも少し考えると、おかしいことに気付きます。それは、「PTA」のTってTeacherだよねってことです。

 

PTAの意思決定にTの介入はできないのかなと思ってしまいますが、東和さんは「保護者からの評価を高めるために、安請け合いする校長」に問題があることを指摘しています。さらには、本来自主参加のはずの教員に、仕事の割り当て表が渡され、なかば強制であると言います。

 

なるほど、このPとTの関係はいいものとは言えませんね。 

 

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 疲れた時はコーヒー飲んでください~

4.調査やアンケートへの対応

これは、第3章の職員室編に登場します。

 

 

アンケートや調査が大変だという話は、ぼくが教員の働き方に興味を持ち、いろいろな人のお話を聞いていく中で、よく聞かれるようになったお話です。

 

 

だから、初耳という話ではないのですが、やはり全国的に見てもそうなのかと実感しました。というのも、

 

文部科学省が行った2014年の調査に、「教員が最も負担に感じる業務は、国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応」というブラックジョークのようなものがあります。

ー p.98

 

らしいからです。

 

文科省の調査で「調査やアンケートが負担」 というのはたしかに、皮肉まじりですね。いいと思います笑

 

 

5.校内研究会

校内研究会に関しては、つい先日、東和さんもつぶやいていました。

 

 

これに似たようなことが書かれています。

 

ぼくも校内研究会には何度か参加したことがあります。

 

特に、気になるのは「そもそも研究じゃない」というところです。

(「現場にも立っていないのに」の批判が最も来そうなポイントはこちらです笑 繰り返しますが、全てにあてはまることではありません。)

 

心理学をやっている関係上、研究というと、仮設とか、条件設定とかをしっかりしないと結果も意味をなさないと思っています。

 

 

たしかに教育の現場には数値というものがほとんど存在しないので、心理学と比べるのもよくないかもしれませんが💦

 

 

とにかく、この「校内研究会」の部分にはとても共感してしまいました。

 

 

まとめ

このような感じで、東和さんの「問題だらけの小学校教育」をレビューしていきました。

 

ぼくの初耳だった情報を選んで載せたので、とてもマニアックなものになったと思います。

 

しかし、ぼくがアウトプットするのと、みなさまが本書を実際に読む楽しみを奪わないという目的は達成されたのではないかと思っています!

 

ぜひ、東和さんが切り取った小学校教育の問題点を勉強してみてください~