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高齢者におけるコンパッションフォーカス療法の曖昧性耐性と死への不安に対する効果 (Baharvandi et al., Aging Psychology, 2020)

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みなさんこんにちは。

教育と心理学について考えているじんぺーです。

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高齢者におけるコンパッションフォーカス療法の曖昧性耐性と死への不安に対する効果 (Baharvandi et al., Aging Psychology, 2020)

背景

老化は人間を含むすべての生物が経験する生物学的プロセスであり、高齢者の不安などの障害を予防するためには、特に注意を払うことが重要である。老年期には死とそれに伴う不安は避けられないものであり、そのために生じる曖昧さが高齢者の適合性を悪くしている。

 

目的

そこで本研究では、高齢者のあいまいさへの耐性と死の不安に対する思いやりに基づく治療の有効性を検討した。本研究は、前試験、後試験、対照群を用いた準実験的研究であった。

 

方法

本研究の統計的集団は、2019年にKhoram Abad老人ホームに居住する全高齢者を対象とした。参加者は、包含基準に従って利用可能なサンプリングによって選択された30名の高齢者(男性16名、女性14名、M=64.06、SD=6.5)で構成されていた。実験群は2ヶ月間に8回の90分セッションを受け、対照群は研究期間中に何の介入も受けなかった。本研究では、Ambiguity Tolerance Scale (McLain, 2009)およびFear of Death Scale (Collet-Lester, 1969)を用いた。データは一変量共分散分析を用いて分析した。

 

結果

その結果、実験群と対照群では、曖昧さや死の不安に対する耐性の能力に有意な差があることが示唆された。つまり、思いやりに基づく治療は、患者の曖昧さへの耐性と死への不安を軽減する能力を増加させた(P<.01)。本研究の結果によれば、思いやりに焦点を当てた治療は、高齢者のあいまいさ耐性を高め、死に対する不安を減少させるための効率的な方法として示唆される。

 

論文

Baharvandi, B., Kazemianmoghadam, K., Haroon Rashidi, H. (2020). The Effectiveness of Compassion-Focused Therapy on Ambiguity Tolerance and Death Anxiety in the Elderly. Aging Psychology, 6(1), 13-26. doi: 10.22126/jap.2020.5148.1409