偏見の核心にある道徳的二項化:一般化した偏見における道徳的基盤と曖昧さの不寛容の役割 (Forsberg et al., Social Psychological and Personality Science, 2019)
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偏見の核心にある道徳的二項化:一般化した偏見における道徳的基盤と曖昧さの不寛容の役割 (Forsberg et al., Social Psychological and Personality Science, 2019)
結論から言うと、道徳的絶対主義は、曖昧さの不寛容の他の側面よりも、軽蔑されたグループや反体制派グループに対する一般化された偏見とより強く関連していたが、曖昧さの不寛容と一般化した偏見の間には、binding moral intuitions(偏見を高める)とindividualizing moral intuitions(偏見を減らす)による間接的な関係が考慮されていた場合には、直接的な関連はほとんどなかった
目的
曖昧さに対する不寛容の3つの側面-道徳的絶対主義、曖昧さに対する不快感、および(低い)複雑さに対する必要性-が、道徳的基盤を拘束し個別化することと、危険な集団、軽蔑された集団、反体制派に対する一般化された偏見との関係を検討
方法
参加者:スウェーデンの成人(N=4301、女性64.0%、Mage=43.2、SD=12.5)
尺度:年齢、性別、出生国、スウェーデン生まれの両親の数
・感情温度計:21の異なる社会集団に対する感情を評価
・Moral Foundations Questionnaire (Graham et al., 2011):15の考慮事項がどの程度関連していると思うかを報告し、15の道徳的命題への同意度
・曖昧さへの態度尺度
結果
■道徳的絶対主義は、曖昧さの不寛容の他の2つの側面よりも、反体制派や軽蔑的な集団に対する一般化した偏見とより強く相関
・一般化した偏見は、複雑さ、新しさ、曖昧さへの反応というよりも、人を二項対立的に分類する傾向に根ざしている
■道徳的直観と偏見の関連は、曖昧さの許容度をコントロールした場合には頑健であることが明らかになったが、逆の場合にはそうではない
コメント
偏見やモラルファンデーションのスキーマがなさすぎて、用語の理解に苦しんだ。Lauriola et al. (2015)の尺度を翻訳して、因子分析を行っているところは参考になった。CNの因子負荷量に低いものもあって(0.3以下)、もし自分の本調査でも低いのが出てきたら、参考に(盾に)させてもらおうかなと思った。
論文
Forsberg, E., Nilsson, A., & Jørgensen, Ø. (2019). Moral Dichotomization at the Heart of Prejudice: The Role of Moral Foundations and Intolerance of Ambiguity in Generalized Prejudice. Social Psychological and Personality Science, 10(8), 1002–1010. https://doi.org/10.1177/1948550618817347