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医療トレーニングにおける曖昧性耐性と心理的well-being:体系的レビュー (Hancock, & Mattick, Medical Education, 2020)

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みなさんこんにちは。

教育と心理学について考えているじんぺーです。

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さっそくいきます!今日もレビュー論文!

 

医療トレーニングにおける曖昧性耐性と心理的well-being:体系的レビュー (Hancock, & Mattick, Medical Education, 2020)

結論から言うと、曖昧さの許容度と心理的幸福度との間には関連があるように思われる。

 

ポイント

はじめに

・医師におけるストレス、燃え尽き、メンタルヘルス障害の問題についてはよく知られていますが、医師がこれらの問題を発症するリスクを高める個人、チーム、組織、社会的要因についてはあまり知られていない

・多くの研究では、臨床実践における曖昧さや不確実性への不寛容と、心理的苦痛、燃え尽き、精神衛生障害など、心理的な幸福感の低下というより広い用語で考えられる様々なアウトカムとの関連性が提案

・Hillenらは不確実性の許容の定義を「世界の特定の側面についての無知を意識的に認識することによって引き起こされる、否定的および肯定的な心理的反応(認知的、感情的、行動的)のセット

・不確実性が「曖昧さ、確率、または複雑さへの反応」であり、曖昧さを「信頼できる、または適切な情報の欠如」と定義

 

方法

・選抜した研究は以下の通り:(a)実証的研究である、(b)定義された曖昧さや不確実性の許容度の指標を使用している、(c)心理的幸福度の指標(ストレス、燃え尽き、または精神衛生障害の証拠)を使用している、(d)医学部の学部生または大学院医 師の集団内で実施

 

結果

・11の研究すべてにおいて、曖昧さや不確実性に対する不寛容度の高さと心理的幸福度の低下との間に関連があることが報告された

 

コメント

レビューだけで終わらせず、モデルを示すことで、これからのこの分野の研究で同じような知見を積み重ねるようなことがなく、どんどん進歩していけるようになったと書いていたのは力強いなあと思った。

お医者さんという曖昧な状況によく直面する仕事の人の研究が多いけど、学校の先生も曖昧な状況多いんじゃないかなと思うなあ。そして、それを乗り越える態度としての白黒をつけてしまう思考になるんじゃないかなあって読みながら思った。

 

論文

Hancock, J., & Mattick, K. (2020). Tolerance of ambiguity and psychological well‐being in medical training: a systematic review. Medical Education, 54(2), 125–137. https://doi: 10.1111/medu.14031.