実験美学における領域特異性と心的時間測定 (Jacobsen, British Journal of Psychology, 2014)
みなさんこんにちは!
微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えます。
今日も論文を読んでいきます!
実験美学における領域特異性と心的時間測定 (Jacobsen, British Journal of Psychology, 2014)
ポイント
・Leder, Belke, Oeberst, Augustin (2004)は、視覚芸術の美的鑑賞と美的判断のモデル(視覚芸術、特に現代美術の鑑賞のための処理段階を提唱した最初の包括的なモデル)を発表し、この分野に大きな影響を与えた
・視覚芸術以外の美的処理の領域についても言及
▶感覚、知覚、感情、概念、実行などのパラメータに沿って領域が大きく異なる可能性がある
・Brattico, Bogert, and Jacobsen (2013)は、(音楽における)聴覚処理のモダリティ固有の特徴を本質的な特徴として捉え、音楽の美的処理の神経認知モデルを提案
・この分野は、領域特異性を完全に考慮に入れることから多大な恩恵を受けることになるだろう
・もちろん、例えばドメイン間で構造的に同等の研究を行うことで、モダリティやドメインに依存しない処理の段階を特定することも可能
・LederとNadal(2014年、本号)は、美的エピソードの時間経過が特に考慮されていることを強調
▶美的処理の精神的クロノメトリーを知らせることができる認知電気生理学に由来する尺度を提唱したい
▶認知電気生理学(Cognitive electrophysiology)は、将来の美学の心理学に貢献できる可能性
コメント
Jacobsen (2013) を読みたい。ライバル同士が認め合っている感が素敵。
論文
Jacobsen, T. (2014), Domain specificity and mental chronometry in empirical aesthetics. British Journal of Psychology, 105, 471-473. https://doi.org/10.1111/bjop.12094