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【2021年春学期】大学の授業形態を考える上で押さえたい3つのポイント

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みなさんこんにちは!

微かに混じり合う教育と心理学とアートを考えていますじんぺーです。

最近は、だらだらと読んだ論文のメモを書いてしまっていますが、今日は最近考えていることについてまとめてみます。テーマは大学の授業形態です。

 

 1年前くらいにこんな記事を書いたのでした…

 

www.jinpe.biz

 

早速本題に行ってみます!

 

 

みなさんの大学の授業形態は何ですか?

コロナウイルスの影響は2021年4月12日現在もしっかりと続いていて、ぼく自身はあまり毎日の感染者数をチェックすることはなくなりましたが、蔓延防止措置が取られる等、まだまだ油断はできない状態かと思います。

 

そんな中、大学では新学期がスタートし、昨年度まで全面オンライン授業だった大学の講義にも対面授業の流れがだいぶ来たような気がします。実際に、ぼくが通っている京都大学でも対面授業を基本として、いくつかの授業でオンラインとなっていて、対面授業の数が多くなっています。

 

これは、どの大学でも似たような状況なのか気になり、先日Twitter上でアンケートに協力してもらい、ごく簡単ではありますが、データを収集しました。

 

 

4月12日17時までで、計140名、80大学のデータが集まりました(大学名は1番最後に記載しています)。アンケートにご回答頂いたみなさん、拡散して頂いたみなさん、ご協力ありがとうございました。

 

早速ですが、そのデータを見てみようと思います。

 

大学によって授業形態はさまざまだが、オンライン授業が優勢

頂いたデータをこちらの円グラフにまとめてみました。1*1

 

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これを見ると、おおざっぱに、

 

1/4 が対面優勢

1/4 が半々

1/2 がオンライン優勢

 

ということが分かります。ここでまず1つ、自分の大学の授業形態はどちらかというとマイノリティだったことに驚きました。

 

 

とはいえ、各地の大学によってだいぶばらつきがあるようなので、自分が考えたいなあと思っていたことを1つずつ書いていこうと思います。

 

文科省の通知を見てみる

自分の考たいことをつらつら書く前に、文科省が何と言っているかを見てみたいと思います。文科省は、

 

各大学等が学生に寄り添い,例年と異なる環境の中でも,学生が安心し,また十分納得した形で学修できるような対応を講じていただくことが重要

 

という前提を示した上で、

 

大学等の教育において,豊かな人間性を涵養するためには,直接の対面による学生同士や学生と教職員の間の人的な交流が行われること等も重要な要素です。(中略)学生が安心し,納得する形で学生生活を送ることができるよう,十分な感染対策を講じた上での面接授業の実施や学内施設の利用機会の確保をはじめ,学生の学修機会や環境の確保のために必要な取組をお願いします。

 

とのことです。文科省としては、各地の感染状況を考慮するというのが最優先事項だけど、対面(文書では「面接」)授業をやっていって欲しいと言っています。つまり、上で見たような大学によるばらつきは、各地の感染状況を踏まえた結果と言えそうです。

 

文科省の通知の全文(3月4日付け)はこちらからご覧になってください。

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.mext.go.jp/content/20210305-mxt_kouhou01-000004520-02.pdf&ved=2ahUKEwjT2J-DivvvAhVa7WEKHe36DXQQFjAAegQIBhAC&usg=AOvVaw1ENwWWkrlYBmpuMILi6AqJ

 

こういったことを踏まえて、自分の考えていることを3つの論点に絞って書いていきたいと思います。自分の主張を書くというよりも、みんなで考えるきっかけの1つとなればと思います。

 

論点①授業時間以外の過ごし方

対面授業が再開されつつある、というのは上で示した通りですが、その授業の様子はいかがでしょうか?

 

自分は、博士課程にいることもあり、あまりたくさんの授業はないのですが、何個か受けた授業では感染症対策もほぼ完璧なのではないかと思います。学生同士の間隔を1席ずつ空けたり、教室に入る前に消毒したり、先生の話す教壇のところには、アクリルボードが設置されたりしていました。

 

一方で、授業時間以外の過ごし方はいかがでしょうか?お昼にはみんなでご飯を食べたり、放課後に楽しく会話したり、クラブやサークル活動をしたり、と大学生の過ごし方は多様です。

 

そこまで、大学が管理するのは気持ち的にも物理的にも難しいと思いますが、学生が授業以外の時間をどのように過ごしているか、1度考えてみてもいいのかなあと思ったりしています。

 

論点②困っている学生への配慮

実は、こういうアンケートをして、記事を書こうとしたきっかけはここにあるのですが、大学院の後輩が授業形態で困っている様子を見ました。後輩といっても社会人院生で、京都以外で働いています。その方は、もう少し落ち着いていたらいいけど、蔓延防止措置まで出されて、けっこうな距離の移動がはばかられると言っていました。しかし、ある必修の授業ではどうしても対面で受けないといけないと言われてしまい、困っているとのことでした。

 

文科省の通知では、

面接授業の実施について不安を有する者に対しては,自宅での遠隔授業の受講を認めている例があることも踏まえ,学生の状況に可能な限り配慮した学校運営に努めること

 

と書かれていて、学生が上記のような境遇にいるとなると、もう少し配慮して欲しい気がします。また、対面じゃなくて困っている(先生や友人との関係が築けない等)学生もいると思うので、難しいところです。

 

ここで、最後の論点も見てみたいと思います。

その前に浸かれたと思うので、コーヒーどうぞ。

 

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論点③大学教員、事務の負担

ここまで書くと、「大学もっと頑張ってよ!」と言いたくなるかもしれませんが、最後に、大学の先生や事務の方の負担についても考えてみたいと思います。

 

先日、ある演習系の授業がハイブリッド(対面もオンラインも両方対応)で行われました。ぼくはオンライン(zoom)で参加していて、発表など概ね問題なく聞くことができました。(昨年度もこれでしたからね)

 

しかし、対面で参加している人もいたので、質疑応答の質問の部分が急に聞こえにくくなるという問題が発生しました。

 

授業終わりに院生同士で話していると、やはり多くのオンライン参加の学生にとって質問の声が聞こえにくかったようです。それで、この声を先生に伝えようという話になりました。

 

すると、先生から、「善処するが、もしかしたら難しいかもしれない(ハイブリッドの限界)」と返答がありました。院生の先輩の方も「先生方もギリギリでやられているので、このくらい仕方ないというくらいの気持ちでいよう」と言っていました。

 

本当にその通りだと思いました。状況が刻一刻と変わり、学生のニーズもさまざま(対面を求める学生もオンラインを求める学生もいる)だとすると、先生方や事務の方も大変に神経を使っているのではないかと想像します

 

まとめ

この記事では、大学の授業形態に関して、3つの論点

 

①授業時間以外の過ごし方

②困っている学生への配慮

③大学教員、事務の負担

 

をあげました。

 

ここまでくると、いよいよどうしたもんか、となります。特に、②と③でした問題提起はどちらもとる(全ての人を救う)のは難しいかもしれません。ただ、想像力をフルに使って困っている人(大変な思いをしている人)いないかな?と注意してみるのは、これまでと同様大切なことだと思っています。

 

この記事がそんな一つのきっかけになれば嬉しいです。

 

改めて、協力頂いた皆様、本当にありがとうございました!!

 

回答のあった大学

デジタルハリウッド大学
フェリス女学院大学
ルーテル学院大学
愛知教育大学
愛知工業大学
愛知淑徳大学
横浜国立大学
岡山大学
関西学院大学
関西大学
岐阜大学
宮崎大学
京都大学
京都ノートルダム女子大学
京都産業大学
近畿大学
金城学院大学
九州大学
九州保健福祉大学
駒沢女子大学
県立広島大学
広島大学
埼玉大学
山形大学
滋賀大学
鹿児島大学
尚絅学院大学
松山大学
上越教育大学
上智大学
信州大学教育学部
新潟大学
神戸松蔭女子学院大学
神戸大学
神田外語大学
聖学院大学
聖心女子大学大学院
西南女学院大学
摂南
千葉大学
大阪医科薬科大学
大阪教育大学
大阪工業大学
大阪大学
大阪府立大学
大谷大学
大分大学大学院
大和大学
筑波大学
中京大学
長崎県立大学
鳥取大学
津田塾大学
天理大学
東海大学
東京学芸大学
東京女子大学
東京大学
東京都立大学
桃山学院大学
日本社会事業大学
日本女子大学
日本福祉大学 通信教育部
富山大学
武蔵大学
福岡教育大
福岡教育大学
福知山公立大学
文教大学
放送大学
法政大学
北海道教育大学旭川校
北海道大学
北星学園大学
名古屋外国語大学
名古屋大学
名城大学
明治学院大学
明治大学
佛教大学

 

*1:1つの大学に対して,複数人の回答があった場合,最頻値(1番数が多かった回答)▶(同数の回答があった場合)「3(半分くらいの授業が対面)」に近い回答▶(「3」までの距離が同じだった場合)中央値▶(中央値が整数でなかった場合)より学年が低い学生の回答(一般的に,授業が多いと思われるから)というルールで各大学の回答を1つに絞りました。